この記事では、各チアジムで秋シーズン行われるショーケースについて紹介しています。
仕組みを理解すれば、日本のチームの活動の参考になると思うので、是非ご覧ください!
夏休み前にチーム分けされた選手は夏の時期を利用してしっかりとスキルアップし、
構成入れが終わった例年10月から11月にかけて、アメリカの各トップジムでは『ショーケース』と呼ばれるいわばシーズン発表会が行われます。 チアリーディングチームにとって、シーズン初めのショーケースはとても大切なイベントです。
『このシーズンこの演技で勝ちにいくぞ』という意思表明を家族やお友達に披露する場で、
このイベントに向けてどのチームも必死に演技を仕上げます。また新しいユニフォームのお披露目だったり、最終調整する前の第3者意見をもらうタイミングだったり、この発表をちょっとした有料イベントにし、遠征の資金集めをしたりという目的にも利用されます。アメリカ人得意のカップケーキなどを販売するベイクセール、チームTシャツ販売なども行われ、とにかく家族を中心に大きな盛り上がりを見せます。 なんとチームによってはライブ配信も行うほど! アメリカではWORLDSでの結果がジムの経営を左右するほどですので、ここからジムが一丸となって選手を支えていく決起の意味があります。
シーズンを通じて磨かれるスキルやチームワークが、初披露される瞬間だからこそ、適切に活用することで大きな成果が期待できます。 ではなぜショーケースを行うのでしょうか。ここではその理由やメリットデメリットについて解説します。
◎ショーケースを行う理由◎
まず、シーズン初めにショーケースを開催する理由は、単に練習の成果を発表するだけに留まりません。主な理由として以下が挙げられます。
➊チームの団結力強化
ショーケースに向けてチーム一丸となって練習を重ねることで、選手同士の信頼関係が深まります。
また、本番を成功させるためのコミュニケーションが増え、リーダーシップや協力の大切さを実感できる場にもなります。
❷目標達成へのモチベーション向上
シーズンの初めに目標を意識し、自分たちの成長を感じることで、今後の練習にもより意欲的に取り組むことができます。また、ショーケースでのパフォーマンスを通じて、自信を持ってシーズンに臨めるようになります。
❸技術的な改善点の発見
本番のショーケースを経験することで、練習では気づけなかった細かな技術的な課題や演技の改善点が見つかることがあります。これを活かして、より精度の高い演技ができるように修正を加えることができます。
❹サポーターや家族との絆強化
ショーケースにサポーターや家族が参加することで、選手が応援を受けている実感が生まれます。
応援してくれる人々の期待に応えるために、チーム全体が一層の努力をするきっかけにもなるでしょう。
◎ショーケースを有効活用するメリット◎
ショーケースのメリットを最大化するために、活用方法を工夫することが大切です。
主なメリットには以下のようなものがあります。
➊選手の成長機会
シーズン初めのショーケースは、練習の集大成を見せる場です。
選手一人ひとりが自分の技術を確認し、自分の成長を実感することで、次のステップに向けた目標設定を行いやすくなります。
❷チームブランディングの一環
シーズン初めにショーケースを行うことで、チームの方向性や目標を対外的にアピールする機会となります。これは新しいサポーターを増やしたり、スポンサーの関心を引くきっかけにもなり得ます。
またこの時期からプレップチームというのを始めるジムも多く、任期半年大会1回という予算フレンドリーなお試しチームを結成する時期でもあります。
❸技術的な課題の発見
ショーケースで明らかになった課題を早期に改善することで、シーズン本番での演技に磨きがかかり、
他のチームに差をつけることができます。
◎ショーケースのデメリット◎
一方で、シーズン初めのショーケースには主に次のようなデメリットがあります。
➊準備のための負担
ショーケースに向けて練習時間や労力が必要となり、他の技術練習や戦略に割く時間が制限される場合があります。また、全体の計画がショーケースに偏ってしまうと、シーズン後半に疲れが出ることもあるでしょう。費用負担もあるので予算を組んでおくのが重要です。
❷心理的プレッシャー
シーズン初めのショーケースで失敗や課題が多く見つかると、選手にとってはモチベーションを低下させる要因にもなり得ます。特に若い選手や初心者にとっては、自信喪失やプレッシャーが強まる場合もあるため、失敗もポジティブに活かす姿勢が大切です。
◎ショーケースを成功させるポイント◎
では日本でもやってみよう! となる前にショーケースを有効活用するためには、デメリットを理解し、適切な準備と工夫が欠かせません。具体的には、次のポイントを意識しましょう:
➊現実的なスケジュール設定
シーズン初めは多くの課題が見つかる時期です。
ショーケースの準備に全力を注ぎすぎず、シーズン後半への体力やリソース配分も考慮することが重要です。
❷失敗をポジティブに捉える雰囲気づくり
ショーケースはあくまで「練習の延長」として捉え、完璧なパフォーマンスを求めすぎないようにします。ショーケースでの経験を学びに変え、次に活かす姿勢をチーム全体で共有することが成功の鍵です。
❸サポーターとの関係づくり
ショーケースを通じてファンや家族と交流することで、長期的なサポーターを増やし、チームへの応援体制を強化できます。いきなり伺って資金下さい、よりもっと身近なチームに感じてもらえること間違いありません。
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何といってもアメリカのチアシーズンはすぐそこ。
11月になると徐々に大会が始まり、冬のハイシーズンに備えて腕試しをし始めます。
平均7-8大会に1シーズンで出場するアメリカのジムでは
大体年内に何回、年明けに何回と出場する大会を決め、それに向けてチームによっては週何度も練習するいわばジムシーズンとなります。
そんなシーズン直前だからこそファンづくりにも手を抜かないのはぜひ参考にしたいですね!