親が知っておきたいチアリーディングの基礎知識

24.06.24
アスリートプロテクション&ウェルネス
ライフスタイル

特に女子の間で大ブームのチア。 習い事としても競技スポーツチームとしても多くの魅力でいっぱいです。
今回は【チアをやりたい!】と子どもがチアリーディングに興味を持ったとき、親として知っておきたいチアリーディングの基礎知識について詳しく紹介します。

■まずはチアの魅力について■

“チア活”には本当にたくさんの魅力があります。選手たちが夢中になって取り組む要素がとても多く、また今後の新たな世界競技としても注目されています。
以下魅力について簡単に説明します。


●達成感と自信の向上:  チアリーディングのパフォーマンスや大会での成功は、子どもに大きな達成感を与えます。目標を達成する喜びや努力が報われる経験は、自信を育むのに役立ちます。また、失敗から学ぶことも重要で、困難を乗り越える力を養います。

●社会的スキルの習得:  チアリーディングを通じて多くの社会的スキルが身につきます。例えば、協力、信頼、コミュニケーション、リーダーシップなど、チーム活動を通じて得られるスキルは、将来の人間関係や職場環境においても役立ちます。

●身体的な健康:  チアリーディングは全身運動であり、身体の強化や柔軟性向上に役立ちます。また、定期的な運動を通じて、健康的な生活習慣を身につけることができます。

●授業で得意科目になる(かも): 日本でもダンスが必須科目になり数年が経ちました。 チアリーダーにとってはダンス授業は成績も取れて、楽しみでしかないはず。自信につながります。

■チアって本当はどんなもの?■

まだまだ新しいスポーツ。 日本におけるチアの歴史は意外と浅く、まだ約40年弱です。 
大体チアを始めるときに、【娘が興味持ってるのよね】というきっかけが多いかと思います。 まずは全体像を把握し、どれが自身に向いているのかを選ぶことはとても大事です。

チアリーディング、チアダンスの違い: チアリーディングは、応援をベースとしたパフォーマンス。 スタンツ、アクロバティックな動き、ダンス、ジャンプ、などを組み合わせて行います。元々はスポーツチームを応援するために始まりましたが、現在では独立した競技として世界中で人気があります。  チアダンスはベースは同じ応援なのですが、組み合わせる動きがポンポンを使ったダンス、ターンやジャンプといったテクニック、緻密なフォーメーション移動などに代表されます。

競技チア、応援チア、レクリエーションチアの違い:  チアリーディングには大きく分けて「競技チア」と「応援チア」と「レクリエーションチア」があります。競技チアは大会や競技会に向けて練習し、パフォーマンスを競う形式です。一方、応援チアはスポーツイベントや学校のイベントで観客を盛り上げることを目的としています。レクリエーションはパフォーマンスとしてチアを楽しむ、かなり日本独特なスタイルです。

オールスターチア、バーシティチアの違い:  オールスターはクラブチーム、バーシティは学校ベースのチアを指します。 それぞれ異なる目的やスタイルを持っています。 
例えばオールスターチーム。こちらは、年齢やスキルレベルに応じてチームが構成されます。各チームは特定の大会に参加するために編成され、全国や国際大会での優勝を目指します。練習内容は非常に集中的で、技術的なスタンツやタンブリング、ダンスの振り付けを高いレベルでこなすことを目指します。 練習時間も長く、週に数回行われることが一般的です。オールスターチームは、地域、全国、国際大会で競い合い、演技の完成度や技術の難易度、創造性などで評価されます。 特徴的なのはユニフォーム。 キラキラとした装飾や派手なデザインが特徴です。  個性的で目を引くデザインが多いです。

一方バーシティチアは、同じ学校に通う生徒で構成されます。チームは自分達が競技として試合に出るほか、他のスポーツチームの試合や文化祭など学校行事での活動を中心に活動します。バーシティチームの練習は、学校で行われ、自分たちのシーズン以外は試合での応援パフォーマンスや応援歌、簡単なスタンツやジャンプの練習を中心に行いますが、その練習の内容や頻度は学校のスケジュールやスポーツシーズンに依存します。   昨今では多くのバーシティチームが、地域や全国のチアリーディング競技会に参加しますが、本来は主な活動は学校を代表して行われる試合やイベントの応援です。 ユニフォームは、学校のカラーやロゴを取り入れたデザインが特徴です。  学校名、チームマスコット名、また学校の誇りを表現することが重視されます。

どちらがおすすめというのは存在意義が異なる以上、特にないのですが、クラブチームでは同じような目的意識を持つメンバーと年齢を超えた活動ができ、学校団体ではやはり学校生活のとてもよい思い出になるかと思います。

■チアの基本要素■

さわやかなスマイルに加えて、応援ワードを形どったアームモーション、ジャンプやキックなどはとてもスポーティに映ります。ここではそれぞれのカテゴリーの主な練習内容をお伝えします。

◎ チアリーディング編
●スタンツ:  スタンツはチアリーディングの中でもっとも特徴的な要素です。スタンツには、フライヤー(上に乗る人)、ベース(支える人)、スポッター(安全を確保する人)の役割があります。これらの役割を安全にこなすためには、信頼関係と練習が必要です。

●ピラミッド: スタンツを複数組み合わせて行う技です。
チアリーディングの中でも難度が高く、代わりに成功した時の感動はひとしお、一番のチアの醍醐味を味わえる(もちろん失敗した時の打撃もですが)大技です。

●ジャンプ: ジャンプは、チーム全員が揃って行うことが多く、トータッチやパイクなどの基本的なジャンプがあります。ジャンプの技術を向上させるためには、柔軟性と筋力が求められます。

●タンブリング: タンブリングは体操技術を取り入れたもので、バックフリップやロンダートバックハンドスプリングなどがあります。これらの技術を習得するには専門的なトレーニングが必要です。

●ダンス: ダンスは振り付けに合わせてチームが一体となって動きます。リズム感や表現力が求められます。

◎ チアダンス編
●主な技① ダンス: パフォーマンスチアやポンと呼ばれるカテゴリーではポンポンを用いた力強い演技が求められます。  どれだけチームとしてそろっているかのシンクロ性が最も問われる動きです。

●主な技② ターン: バレエのターンをより速いすスピードで行います。 多くのターン技はバレエの男子技と言われています。

●主な技③ ジャンプ:チアに特徴的なトゥタッチ以外に片足ジャンプ、また最近ではターンとの組み合わせジャンプも大ブームです

●主な技④ タンブリング技: 2024年現在では側宙、天宙など体操技もたくさん選ばれています。

このようにチアリーディングであってもチアダンスであっても、多くのテクニック練習は必須で、さらにはそれをそろえて点数がつく以上、練習を頻繁に休むのは競技では完全NGです。

入会するときに必ず確認しましょう。 またチーム側もどのスタンスのチームなのか、明確にしてからメンバーを受け入れるよう工夫しましょう。

■いいクラブとのめぐりあいかた■

皆さんが思っている以上にコーチ同志は強くつながっています。 このスポーツは熱意を持ったコーチたちのつながりによって大きく発展し、今の姿になっています。昨今の移籍ブーム、チームオーナーたちは皆さん頭を抱えています。次々と動く前に、チームの理念やコンセプト、活動内容が自分の思いと生活パターンにあっているのか、しっかりとリサーチしましょう。またコーチとの信頼関係、こんなことに悩んでいるなど相談するのはとても大切です。 コミュニケーション第一!話してみましょうね!

以下は活動する団体を選ぶときのチェックポイントです! ほとんどのスクールは安全対策はばっちり考えられていますが、昨今のブームでレッスンだけ行っているところも多いです。 競技の場合はなおさら安全対策は重要視しましょう。

【安全対策】

●ケガ予防

チアリーディングは見た目が華やかで楽しいスポーツですが、怪我のリスクも伴います。親としては、子どもの安全を最優先に考えることが重要です。選手が怪我をしないように、適切なトレーニングと安全対策を行っているか確認しましょう。

●練習環境

練習環境も重要です。専用のマットや適切なスペースが確保されているか、指導者が安全な練習を促しているかを確認しましょう。

●プロフェッショナルな指導

資格を持ったコーチがいるかどうかも大切です。経験豊富な指導者がいることで、正しい技術を学び、安全に練習を進めることができます。

【経済的な負担】

●コストの把握

チアリーディングはユニフォーム、練習道具、大会参加費など、経済的な負担が伴います。事前に費用を確認し、予算を計画的に立てることが重要です。

■保護者の皆様へ■

チアを練習している娘をみていると、多くの保護者が第2の青春時代を感じるはずです。 自分が参加しているかのような錯覚におちいり、割とのめりこむのも特徴的です。 以下保護者に求められる要素です。 あくまでも主役は選手! なのですが、チアママはとにかく忙しいです! せっかく始めたのに1か月しかできなかった~などということなきよう、初めから心して参加しましょう。  

【時間管理】

●練習スケジュール

チアは定期的な練習が必要です。親としては、選手の練習スケジュールと学校生活、家庭生活のバランスを取ることが重要です。過度な負担をかけないように調整しましょう。

●学業との両立

特に学生チアリーダーの場合、学業との両立が求められます。時間管理スキルを身につけさせ、練習と宿題、テスト勉強などを計画的に進める方法をサポートすることが大切です。

●休息とリカバリー、栄養補給

実は十分な休息も重要です。練習の後や大会の後は、しっかりと栄養補給をし、体を休める時間を確保しましょう。また、ストレッチやリラクゼーションを取り入れて、身体の回復を促すことも大切です。  チアリーディングには体力が必要です。バランスの取れた食事と適切な栄養を摂取することが、パフォーマンスの向上につながります。特に成長期の子どもには、コンビニごはんで済まさないよう、十分なタンパク質、ビタミン、ミネラルが必要です。

【心理的なサポート】

●チームワークの大切さ

チームワークはチアリーディングの核です。子どもがチームの一員として協力し合うことを学び、互いに支え合う経験を通じて成長することができます。親は、チームメイトやコーチとの良好な関係をサポートすることが重要です。

●親としてのポジティブな応援とサポート

子どもが練習や大会でプレッシャーを感じることがあります。親として、常にポジティブな応援を送り、励ましの言葉をかけることが大切です。失敗しても前向きな姿勢を保ち、次に向けてのモチベーションを高めるサポートをしましょう。

●メンタルヘルスの重要性

チアリーディングは体力だけでなく、メンタル面でも非常にチャレンジングです。緊張やプレッシャーに対処するためのサポートが必要です。親としては、子どもがストレスを感じたときに話を聞いたり、リラックスできる環境を提供することが重要です。

●現実的な期待

親が高い目標を持つことは大切ですが、子どものモチベーションや生活パターンを見て現実的な期待を持つことも重要です。過度なプレッシャーをかけず、子どもが自分のペースで成長できるように見守りましょう。

【コーチやチームを理解する】

●チーム活動への参加

親がチーム活動に積極的に参加することで、子どもはより安心感を持ち、チーム全体の連帯感が高まります。例えば、コーチの承認を得たうえでの練習の見学や大会のサポートなどを通じて、子どもと一緒にチアリーディングを楽しむことができます。

●コーチとのコミュニケーション

定期的にコーチとコミュニケーションを取り、子どもの成長や課題について話し合うことも重要です。コーチからのフィードバックを受け取り、それを基に子どものサポート方法を考えることができます。

●費用の計画

チアリーディングはユニフォームや大会参加費など、さまざまな費用がかかります。親としては、これらの費用を事前に計画し、予算を立てることが大切です。また、支援プログラムや奨学金を活用することも検討しましょう。

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チアは、子どもたちに多くの学びと成長の機会を提供する素晴らしいスポーツです。親として、基本的な知識を持ち、子どもの安全と健康を最優先に考えながら、ポジティブなサポートを行うことが重要です。チアリーディングを通じて、子どもたちは身体的にも精神的にも成長し、将来に向けて多くのスキルを身につけることができます。親の適切なサポートと理解があれば、子どもたちは自信を持ってチアに取り組み、素晴らしい経験を積むことができるでしょう。

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