チアリーダーと視力。

23.11.26
アスリートプロテクション&ウェルネス

一般的にアスリートは静止視力が1.2あるのが望ましいとされていますが
昨今の生活パターンの変化に伴い、平均的な視力は悪化傾向といえます。
ある調べでは小学校のクラスの4人に1人が眼鏡!
その場合、運動に必要な動体視力はどうなっているのでしょうか?
眼科の先生にお話を聞いてみました!

チアリーディングは、身体的なスキルとそのコーディネーションを必要とするスポーツであり
チアリーダーとして成功するには、視覚のスキルも大きな役割を果たすとされています。
またスキルを向上させることは、パフォーマンスの向上に大きくつながり、その時に視力が大きな影響があることが海外では言われています。

10年ほど前からトップアスリートが行うスポーツビジョントレーニングというプログラムがスタートしました。
アメリカでは50年以上前から提唱、開発されてきたトレーニング方法で、
ビジョントレーナーは眼科医とほぼ同等の国家資格があり、北米や欧州を中心に多くの国々で広く導入されています。
日本ではアスリートが積極的に行われるものとしてはまだ限られた選手にしか取り入れられていないのですが
海外ではアスリートがプレーするポジションやスポーツに必要な特定の視覚スキルを向上させる目的で取り入れられる大事なトレーニングです。

スポーツ選手に必要とされる視覚機能は主に

・目・手・足・体のコーディネーションスキル →眼で見たものに素早く反応する能力
・周辺視 → 自分の周りの状況を正しく把握する能力
・深視力 →正確に距離を認識する能力
・瞬間視 → 瞬間的に多くの情報をつかむ能力
・KVA動体視力 → 遠近前後方向などこちらに向かってくる目標を素早く識別する能力

とされています。

チアの練習でスポットという言葉がよく出てくるかと思います。
また先生に横のメンバーを感じて! と言われるかと思います。
この『スポット』『横を感じて』はすべて視覚機能のトレーニングによって改善されるものが多いです。

■コアビジョントレーニング
チアリーダーにとって重要な視覚力(ビジョンスキル)は数多くあるのですが、パフォーマンスにとってより重要なものは主に以下の通りです。

1) 目・手・足・体のコーディネーション:
特に大人数チームで行われる複雑なパフォーマンスでは、非常に多くのボディコントロール、ビジョンコントロールが必要です。
優れたコーディネーションはパフォーマンスだけでなく、安全面でも重要です。

2) 周辺視:
この視覚スキルは、周囲の空間を認識する能力を高めます。
チアリーダーの場合、演技をするエリアが縦横のみならず上下もあり、定められているため、このスキルは重要であり、
特にアクロバットを含む複雑なフォーメーション移動をする場合は、衝突を避けるためにも周囲の空間を意識することが重要です。

3)深視力:
このスキルは、アスリートに、近くにいる他の人や物との関係において、自分の位置を適切に把握する能力を与えます。
チアリーダーにとって、これは人との距離感、フォーメーションや位置間隔などチーム演技の完成度を高めるのに重要なスキルです。

4) 瞬間視:
瞬間視とは、ストレスの多い環境の中で視覚的に多くの情報を収集する能力のことです。
チアリーダーにとって、このスキルを向上させることは、よりすばやいリアクションが取れたり、失敗からのリカバリーが早くなったり
大観衆の前でのパフォーマンスを包括的にとらえることができるようになり、またストレスを最低限に抑えることができます。
パフォーマンス中に、周りを把握しながらスポット、前を見続けるアピールする力をより強化することができます。

■ビジョントレーニングの種類
youtubeでVISION TRAINING と検索すると色々でてきます。
よく運動施設で見かける数字のボタンを光った順にどんどん押していくもの、数字探しと言いますがそれも立派なビジョントレーニングです。
めがねメーカーのサイトに色々とトレーニングが出てきますので、この機会にぜひお試しいただきたいのですが、
目の動きに特化したトレーニングは集中力を養うのにも役だちます。
またコンタクトなどの利用で視力そのものを改善していくのはアスリートとしてとても必要であることが理解できたかと思います。

もしスポットができないはもとより、集中力が欠けるなど、視覚に関連した問題がある場合は
ぜひ一度ビジョントレーニング取り入れてみてくださいね。
※海外のビジョントレーニングが面白いかもしれません。

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