ホンモノが見るチアのこれからについて。

23.10.26
インタビュー
チアキャリア&経営

チアコネインタビュー第4弾! 

今回のゲストは元バスケットボールオリンピック選手で今では地元大田区のスポーツプロモーションを手掛けていらっしゃる桑田健秀さんにお話を伺いました。ご自身はチアはやられたことがなく、いつもそばでご覧になっていらっしゃった方です。どのようなお話を伺えるのでしょう。楽しみですね。

桑田氏。 数多くのメダルや盾がずらり。バスケット業界で知らない人はいない、の証拠がたくさん。
チアコネ
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こんにちは! 桑田さん、日本バスケットボール界の【レジェンド】として有名なお方で、スポーツ関係者では存じ上げない方いらっしゃらないのでは? 本日はお話伺うことができて大変光栄です。 簡単でよいので桑田様、自己紹介お願いできますか?

はい、こんにちは。 NPO法人地域総合型スポーツ倶楽部ピボットフットの理事長をしております。 主には東京都大田区の行政や企業、住民と組んで地域のスポーツ活動を22年間サポートしております。過去にはオリンピック選手として国際舞台にも出場させて頂き、様々な貴重な経験をさせてもらいました。それらの経験を踏まえ、最近ではスポーツ活動に関する国や区の政策立案にも種々提案をさせて頂いております。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
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オリンピック選手! 最近日本チームがオリンピックへのチケットを手に入れたばかりですね! 盛り上がる気配にわくわくしております。
さて、ピボットフットについて、どのようにスタートされたのですか?

もともとバスケットボールをやっていたので、地元から指導を手伝ってくれないかと、知っている関係者から依頼されました。 ちょうどこれからのスポーツは学校体育や部活と企業スポーツだけでは厳しいな、と経験的にも思っていたころだったので、一念発起でスポーツビジネスに覚悟をきめ、地域スポーツ推進を試みてみよう、と始めました。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
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なるほど、その時の組織形態として当時国が推奨していた総合型地域スポーツクラブを選ばれた理由はなぜでしょう?

地域におけるスポーツマネジメントしか将来性がなかったと当時感じたからかと思います。 
スポーツは底辺から再構築をしていかないといけないし、日常生活に存在して当たり前のスポーツ環境を作っていくのはとても大切なことです。 今後は学校の運動部活動もこれから地域に移行していきます。学校体育と企業スポーツだけで教える、する、それだけでなく「する・見る・支える・繋ぐ・育む」スポーツ環境を地域に作っていく。 それには地域でスポーツをマネジメントしていく考えをスポーツ界で作っていかないといけないと考えました。 新しい仕組みを作り、一般のすそ野を広めるためには総合型地域スポーツクラブという形態がいいのかな、と考えました。 当時国が普及を推進していた地域向けのスポーツ運営組織形態でしたので。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
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そうですね。どのように運営されているのかはとても気になるところですが、地域社会への貢献とネットワーク、これは海外でもよく聞く話です

そうでしょう。 もともと総合型地域スポーツクラブの考え方はヨーロッパで派生して、それを輸入して日本流にアレンジしたところから始まっているのですよ。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
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そうなのですね、そんな中チアリーディングという種目を採用された理由は何でしょうか?

当時バスケットボールの女子実業団チーム、羽田ビッキーズ(荏原製作所)のヘッドコーチをしていたこともあり、チームからもやってもらえないかとの打診がありました。 私としては、地元トップチームを応援する子ども達の中からエリアヒーローを作り上げ、地元の夢を作りたかった。 チアリーディングに関してはチームの創設から好循環が始まったように感じます。まさに企業と行政と地域をつなぐことが出来るきっかけとなりました。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
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桑田様から見て、ずばりチアの魅力はなんでしょう?

感性が磨かれるのがチアなのではないかと思います。 何を目標にして生きているのかわかりづらい毎日ですが、そんな時代に生きるこどもの成長に、付加価値を与えることができるスポーツと思います。 苦しい時の仲間は唯一無二。 チームとしての達成感、小さいものでも日々の成功体験の積み重ねができる。
そして高い芸術性ですね。 チアのことはわからない、と決めつけていましたが20年も一緒にやっているとそれなりにそのすばらしさは理解してきたつもりです。
チアはかわいいけどとにかくインパクトがすごい! やってみて思うのはシビアなスポーツだなと思います。だからこそ子どもたちの情操教育や社会教育にもってこいだと思います。
人の立場を考えながら話すことができない、言いたいことが言えない現代の中で、必要な要素がたくさん詰まっています。 このスポーツにおける技術アップはコミュニケーション能力の向上ということに顕著に表れています。 また創造性、芸術性が非常に高い。 チームプレーでここまで表現させるのがすごいと感じます。 非常に教育的視点が強いスポーツですね・。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
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たくさんほめていただきありがとうございます!
桑田様にはぜひ今後チアが発展してくためにどのようなことをしたらいいのか、改めてお伺いしたいです。おそらく多くのコーチがどうしようか頭を悩ませているかと思います。

これはあくまでも自分の考えですが、チア教室の運営だけではなく、チアがどれだけ地域社会に貢献しているかどうか、が一つのキーワードになるのかと思います。 また、どれだけその地域にネットワークがあるかは、日本における地域活動ではとても重要な要素に感じます。 
例えばチアをきっかけとした街づくりを考えて、それを言い続けること。 イベントでも体験会でもいいと思います。継続させていくこと。
自分が何をしたいのか、やりたいのか、こうあるべき姿は人それぞれかと思います、 これらをしっかりと自分の言葉で説明、プレゼンテーションができるようにまとめることはとても大切で、自分の頭の整理にも役立ちます。 もちろんそれが組織マネジメントの基本になるので、理想はその考えがブレないこと。
またもちろんチームを経営していくには活動資金を確保しないといけないのですが、アピールするべきプログラムのポイントは事業性の高さよりも社会性・公益性の高さです。 その中で何をしたいのかをしっかりと考えて方針を考えてみましょう。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
チアコネ

そうですね、、、なかなかチアっこ達にはハードルが高いように感じますね。。。

そうですね、そうかもしれません。
まずは自分がしたいことを紙に書く!! アナログですがとっても大切です。 そしてそれをいろんな人に発信し続けること。
これだけでも十分色々変わってくるかと思います。
その時に大切なのは客観性のある価値作り。だから仲間うちでわいわいもよいですが、第3者を関与させて、客観的な意見をもらうのは、時に重要になります。そして、地域活動は基本ボランテイアです。ボランテイアを否定はしませんが、ボランテイアだけでは運営に限界がきます。やはり経営という概念を入れて事業性と公益性のバランスを取りながら運営していくことがこれからの時代の指導者やコーチに求められる要素になるのではないでしょうか。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
チアコネ

そうですね、そのしたいことを紙に書くコツ、というか。。。方向性がなかなか。。。

チアさんだけではないですよ! 特に、地域で活動しているアマチュアスポーツ団体全般に言えることだと思います。さらに、スポーツ団体と行政や企業をつなぐ公益的な中間支援組織の存在が、今の日本にはまだまだ少なく感じます。クラブ経営というマネジメントができる人、またそういった内容のことを理解してやっている人がまだまだ少ないです。特に、地域活動では。 組織づくりは何をするにも成功のカギになります。なぜなら組織は人でできているので、その人を育成することにもなるからです。 つまりマネジメントをする力とクラブ経営という考え方はとても大切です。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
チアコネ

そうですね。具体的にはどのようなことでしょうか?

個人的には今の日本のスポーツでは、クラブマネジメント!!と急に飛躍するよりも、まずは地域でのリーダーでもいいので、そういった考えを持った存在をつくることが必要だと感じます。 
例えばですが、チアを指導したい方が、総合型地域スポーツクラブと組んで何かをやる、また自分で作る、というのもありかと思います。全国に3000のスポーツクラブがありますので何かしらのネットワークにはなるかと感じます。
また先ほどもお話した第三者の関与。 
おそらく第三者がかかわっている団体は成長スピードも早くはないでしょうか?

桑田氏
桑田氏
チアコネ
チアコネ

第三者が入ることもまだあまりないのがチアな気がします。 
まだまだこれからですね!

スポーツの発展に子どもの存在は欠かせません。 その子どもの成長に必ずプラスになるコンテンツを持ち合わせているチアはとても魅力的です。 ゆえに社会性があり一般常識を持ち合わせるコーチの存在や育成にはとても大きな意味合いを感じます。 また最近では特に、指導者やリーダーの人間性と社会性が問われるようになってきたと思います。第三者がこの社会性や一般常識をもちあわせたスポーツを、スポーツとして認める、これも大切です。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
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社会性、ですよね。 わかります。 まだちょっと内輪でもりあがってしまっている気がします。もちろんきちんとやっているチームも多いかと思います。

そうですね、でもそれが今の日本のスポーツ界です。
どうしても自分たちがやりたいことをやりたいように動いてしまいがちです。 しかし行政から見てもおかしくない公益性の高い団体を作ったり、行政組織を含めた地元のイベントをどんどん作ってことで、だんたん見る目が変わってきて、そうすると地元に○○チアチームあり、という図式になります。 
悩みの施設も借りやすくなってくるのではと感じています。

桑田氏
桑田氏
チアコネ
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最後に、チアコネですのでやはりつながりについて伺いたいと思います。
桑田様がつながっていたい人や団体、または今後つながっていきたい人や団体はありますか?

やはり地域ですね。 参考までにお伝えすると地元行政やスポーツ協会、自治会、町内会、スポーツ推進委員等スポーツに関係する関係諸団体は数あります。また商工会議所や観光協会等民間で地域活動を行っている団体もあります。そのような団体と連携協働していかないと今後の地域でのスポーツ活動は生き残れないのかなと考えております。 幸いにも、自分は育ちが大田区で、中学生からバスケットボールでチームが強かったですので、おそらく時代でいうところのローカルヒーローだったのかもしれません。 この強みは関係団体とのコミュニケーションに非常に有効的だったと思います。
さらに、今後都市部での地域スポーツインフラを考えていきたいと思っております。総合型地域スポーツクラブはスポーツ振興が中心的な役割ですが、それだけでなく、区内に点在しているスポーツ資源を連携させ、官民挙げて区民の健康促進やスポーツを軸にした街づくりに貢献してまいります。その実践組織として先だって立ち上げた一般社団法人 おおたスポーツコミッションではスポーツの発展や地域社会における社会課題解決のための企画提案、イベントや講習会を実施し、発信する力を強化、全国にも広めていきたいと考えております。
日本中の地域のスポーツ振興やスポーツでの地域振興にかかわる人とつながっていきたいと感じております。

桑田氏
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チアコネ
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まだチアは少し遅れている気がしますが、おそらくキーワードは【発信力】と【組織づくり】ですね。  
貴重で身近なお話ありがとうございました。

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