7月末に行われたプロアクションダンス。こちらのオーナーであるDan Wilson氏に話を伺うことができましたのでレポートします。
スポーツチア以外の方にもぜひ読んでいただきたい『つながり』について語られています。
— 実に10年ぶりの参加になります。10年前と比較してどのような変化がありましたか?
(オーナー)あなたが最後にこのコンベンションに来たのは10年前。ちょうどこのコンベンションが立ち上がって数年たったころですね。その頃我々はアメリカのプロチアリーダーの地位向上に必死でした。
—そうなのですね。 すでに人気のあるポジションだったように見えたのですが?
(オーナー)そう、人気はあったけれどどうもおまけのイメージがまだ強くて。我々はこういったフィールドのダンススタイルが新しいダンススタイルになると見込んで『スポーツエンターテイメントスタイル』と称し、参加者には『あなたたちがスポーツエンターテイメントの未来です』と事あるごとに伝え,地位の向上を目指していました。
— そうですね!その言葉を今年来てもう一度聞いて、見事にそのスタイルが確立されたなと思っていました。
(オーナー)そうでしょう!以前はいわゆる典型的なチアスタイルできれいな人たちが観客の目を潤す感じのダンスが多かったのですが、プロのダンサーや競技をしてきた人が活躍する場にどんどんと変わっていった10年間でした。
— コンベンションを実施するだけでこのような変革ができたのですか?
(オーナー)それは違います。 プロアクションで指導するコリオグラファーの多くはNBAやNFLでもしっかり振付しています。こういったコンベンションを開催すると参加されるチームのディレクターが帯同してきます。 すると横のつながりが強化され、他のチームでやっている良いところを自分のチームでも採用するようになっていきました。 ディレクター陣は球団側としっかりと話し込みをし、球団としてどのような観客を取り込んでいきたいのか、その観客層はどのような趣向なのか、しっかりとリサーチしてもらい、そのニーズに応えるべくダンススタイルをコリオグラファーに依頼するようになりました。
コリオグラファーはそういった細かなニーズを吸い取って、求められるスタイルのルーティンをダンサーに指導し、踊り方やユニフォームなども研究して、リーチできていない顧客へのアプローチができるよう、工夫してきました。 まさに顧客ファーストですね。
—それはまだ日本ではできているチームは少ないように感じます。ゼロではないです! でもどのような話込みが必要なのでしょうか?
(オーナー)まずは何といっても球団側にダンサーがどれだけ貢献することができるのかを理解してもらうことが大切です。
自分たちのやりたいことをやりたいようにやっているチームはまだまだアメリカにもありますが、それでは現状維持に過ぎないと思います。
名門の球団でもチアの活動をなくしてしまったチームもいくつかあると聞いています。
球団がどれだけ新規観客を取り込むことにどん欲になれるのか、それがないと予算もなかなかかけることはできません。つまりダンスに限らず試合のエンターテイメント部分が新規顧客獲得に貢献するようにコンテンツをしっかりと方向修正しているのが昨今のトレンドになったイメージです。
それにはすべてのコンテンツにプロフェッショナリズムが必要と感じます。
ダンサーだから許されることはあっても球団に属していると許されることは一気に減ります。
そのプロフェッショナリズムは何なのか、何が正しいのかを研究する必要があるかと思います。
— 確かに。 チアコネはチアリーダーをつなぐ、がコンセプトなのであえてチアリーダーの話題に限らせていただきますが、話戻って、、、ではダンサーたちのモチベーションに変化はありましたか?
(オーナー)もちろんです! 今まではダンサーはダンスのトレーニングはしっかり行っていましたが、今はスポーツとして取り組んでいる人が圧倒的に多いです。ダンスの練習はもちろんですが、しっかりとウェイトも上げるし、大体のメンバーは毎日のように4マイル(※約6㎞)は走っていると聞いています。選手たちがプロとしてスポーツを行うのと同じように、ダンサーたちもしっかりと身体づくりをしているのが現在のスタイルです。
— そうですね、何しろ皆さんよく動くなぁという印象です。 前も動けていたけど今回はキレがすごいというか。。。とにかく取材に来たのに圧倒されてしまいました。
(オーナー)そうですそうです。その圧倒された、というのが一般の感想で正解です! 日本でもこう言ったスタイルできそうですか?
— そうですね、まだ気づいていないだけでまだまだいけると思います! 日本のダンサーやチアリーダーが多くプロのチアリーダーを目指しているかと思うのですが何かアドバイスはありますか?
(オーナー)我々のコンベンションには今年も25の球団が参加してくれています。その中には日本人ダンサーを採用したことがある球団もあります。
その中で私のようなイベントプロデューサーから言えることは、日本人のダンサーのいいところをしっかりと残し、新規で核となる部分をしっかりと取得するのが大切かと思います。
— と、いいますと?
(オーナー)海外のダンサーでNBAやNFLにチャレンジされる人はとにかくみなさん美しい! ただダンススタイルはまだまだです。
多くの種類のダンスを踊って、何のスタイルが与えられてもチームのスタイルに合わせて躍ることができる柔軟性、これを取得するのはとても大切です。
それとエンターテイメントビザで渡米しているダンサーが多いとも聞いていますが、アメリカではダンスの先生やダンサーは山のようにいます。
その人にビザを与えるわけですからしっかりアメリカで活躍してほしいのです。自分が躍ることでしっかりとアメリカに爪痕を残してほしいというか、、、まだまだできると思います。何人かすでにチームでのパフォーマンス以外に活躍されている方もいらっしゃると聞いていますが。
— 確かに。。。 日本にエンターテイメントビザで来ている外国人と同じように活躍してほしいですよね。
(オーナー)日本人のダンサーさんはキャリアを含めすべてをなげうってアメリカに来ていると聞きます。
せっかく手に入れたダンサービザなのであれば、このスポーツエンターテイメントスタイルだけでなく多くのダンスの仕事をやってほしいです。単なる思い出作りにしてはチャレンジングな冒険をされているように感じます。アメリカにいる間にコリオグラファーになる、だったり、ディレクターができるようになる、など将来のビジョンを考えるいい時間にしてほしいと感じます。勝手な感想ですね、すみません。
— あこがれがまずは先ですよね、海外のダンサーからすると。
(オーナー)アメリカ人は国外に出たことない人もいるので、仕事も全部やめてきました!というコンテスタントに、ちょっと驚きがあるようです。
— ではプロアクションの将来のビジョンは何でしょう?
(オーナー)まだまだこれからも新しいスタイルのコンテンツを開発していきたいです。 有名コリオグラファーだけでなく、一般の観客がその構成をみて、思わず『ワォ』と言えるようなコリオを作れる人。
若い人たちに多くのチャンスを作っていきたいです。それからディレクターの人たちの横のつながりを強化していきたいです。まだまだ悩みが尽きないようですので、その部分をサポートしていくプログラムを作っていきます。
我々は競技の業界も見ていますが、日本人とても強いですね?
誰かいいコリオグラファーがいたら紹介してください、アメリカのプロアクションで指導できるようであればぜひ連絡ください!
— そうですね、チアコネでもしっかりとリサーチしていきたいと思います!
今日はありがとうございました!
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