どうしてる?試合の日の生理対策

23.07.14
アスリートプロテクション&ウェルネス

ちょっと聞きにくいスポーツ選手の生理対策。

どうしても試合数が多くなると悩みどころなのが『生理の日が試合にぶつかる』問題であることは間違いないですよね。

特にチアはユニフォームは短いし、動きは激しいし、漏れてないか心配になってしまって、十分な集中ができなくなることもしばしば。

海外のチア選手たちはタンポン、月経カップなどの利用頻度が高い。またピルを使って生理の日そのものをずらす人も多いとのこと。またロール式ナプキンや備え付けショーツなど便利アイテムもたくさん!  日本の選手も聞き覚えのあるものも多いかと思います。

でも中学生選手はきっと生理歴も浅いし、そんな便利なものもまだ使えない、つまり心の底から困ってしまうこともしばしば。コーチにも相談しにくいし。 ダンスの選手はそもそもタイツを履くことが多かったり、最近ではロングレギンスだったり、ウェアの工夫をしていて、まだセーフな印象だが、チアリーディングはタンブリングが多い、ジャンプが多い、ピラミッドでコンタクトはする、で激しさが極まりなく、そして気を使う場面が多いのが現状なのです。

アメリカの女性ウェルネス系の記事を色々見てみると、どのスポーツでも女性である以上同じ問題を抱えていることがわかります。中でもオリンピアン達は自分に合った対処法をドクターと相談しながら色々と試している模様。 そこでまずは海外情報として、チアに限らず女性アスリートの対処法という視点から少しお伝えします。

●タンポンが圧倒的に多い!現在は台頭してきているのが経血カップ。 ライナーやナプキン、吸収ショーツとのダブル使いが多い。

●海外はナプキンは少数派。 しかしアンダースコートがタイツ型だったり、そもそもユニフォーム自体がスコートがないミニタイツタイプが流行り始めているので気にせずナプキンで対応する選手も多い。 ただ激しい動きに対してずれや擦れが不快感につながる理由から少数派なのは事実。

●事前にピルで対応しておく。 これが何より一番安全!啓蒙活動も盛ん。

●普段の練習時から対策を練習しておく。 試合の日は演技の直前に生理用品を変えることを周知する。

●漏れてしまう恐怖感から重ね履きも多い。

●体を温めることができるようなラップアイテム(日本でいう腹巻きのようなものらしい)を携帯する

●普段と比べてよりリラックスできるように、自分に合った方法を用意しておく

●なるべく生理日をお互いに把握しておく。自分のPMS時がこうなるという理解をお互いに深めておく など実に様々。

読み漁っていくと気づいた点があり、ひょっとしたら文化の違いかもしれないのですが、生理前、中のメンタル部分についての対応法について多く語られている傾向があります。

どうしてもおなかに力も入らない、体が重い、頭痛や腰痛がひどい、ぼーっとするなど身体の不調の種類は本当に多いです。そしてその身体の不調によってメンタルに影響を及ぼしていることは以前より問題視されています。

こういった体調の変化によるメンタル問題がマイナス方向にひっぱられないよう海外の選手がよくやっているのが、なんでもコミュニケーション。チームメンバーやコーチ、ディレクターに対し、自分の生理の傾向を伝えることです。

そもそもアメリカ人は生理に対して恥ずかしいという概念は比較的低く、教室でナプキンやタンポンを普通に譲り合ったりします。 日本に比べるとその辺はかなりオープンであることがわかります。 コミュニケーションについては、例えば試合当日にあたってしまった場合の情報交換を事前に行ったり(もちろんミーティングスタイルというよりは立ち話的な普段のコミュニケーションの一環としてですが)、ホルモン濃度が変わることによる感情の変化について自分は生理の時はこうなるよ、というのを先に周りに伝えているケースも少ない内容です。

すごいオープンですよね! しかし恥ずかしいというより、チームにとってパフォーマンスが落ちてしまうかもしれないリスクを最大限に回避する努力をチームでしているのかと予想されます。

日本だとどうしても恥ずかしかったり、特に中学生だとあまり生理生理と大騒ぎするのはおかしいと思いこんでいたり、ただひた隠しにしたり、何しろ隠す傾向が強いようです。

海外のように今生理中である、や、自分が生理中だとどうなる、という部分を共有しておくのはチームメイトやコーチ、監督に対する意外と大事なエチケットでもあるのかなと思います

選手としては生理中であることに惑わされないような強い精神力を作る習慣をつけてみる努力もしてみましょう。 自分なりのリラックス方法を探してみるのもよいと思います。 ホルモンバランスに毎月のように影響されると、ある日自信を失う原因に発展しかねないです。 女性ならではの現象ではあるので、自分スタイルの対処法を覚え、気軽に話せて互いに思いやりを持てるチーム作りをして、うまくつきあっていけることを心から切に願います。またコーチたちは話しやすい環境づくりをぜひ作ってもらいたいと思います。

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